「買ってよかった」をまとめて陳列している博物館。

向田邦子の手料理

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40代女性

 レシピ本なのだが、いわゆるそれとは全く異なる。邦子がよく作った料理を妹の和子が監修、調理した料理写真が並べられている。器狂いだった邦子らしい、土物を中心とした品のある器にもられた料理はどれも材料が家庭的、見た目もシンプルで比較的簡単にできるものばかりだ。レシピの合間にはコラムが入り、邦子の生い立ちを写真付きで紹介している。また和子をはじめ、作家の澤地久枝や服飾デザイナーの植田いつ子などゆかりの人らが邦子について語っている。邦子は料理を作るのも食べるのも大好きで、ちゃっちゃと作っては友人知人に振る舞ったり、特別な料理を食べにいく時は体調を整えて準備をしたりしていたという。お客が来る時にのり巻きを作るのも好きで、切り分けた際にできる端っこのペシャリとへしゃげたような部分をとっておいてみなで頬張るのが大好きだった、など茶目っ気のある一面も偲ばれる。大根を1本買ったら、葉っぱからしっぽのところまで余すことなく使い切っていたそうだ。こうした習慣はきっと、食物つまりは「生きとし生けるもの」を慈しみ、自分を取り巻く人々に感謝し、毎日の生活を愛おしむという彼女の哲学からくるものだろう。

 一つひとつのレシピにはただ作り方が書いてあるだけではなく、邦子がその材料を買う際どんな点に気をつけていたか、分量は意外と適当であった、せっかちな邦子は強火でじゃじゃーっと炒めていたなど、邦子が調理する様が目に浮かぶように説明されている。繊細かつ豪快な邦子の息づかいが聞こえてくるかのようだ。向田邦子作品にはよく料理風景や、家族で食卓を囲む食事のシーンが登場するのだが、この本を読むと作品の背景がくっきりと見えてくる。邦子が育った環境が色濃く反映されていることもわかる。

 時折挿入される邦子の小説やエッセイからの抜粋がまた良い。「昔の女は、ひとつの卵をどう料(りょう)るか、そんなところに女の才覚があったのかも知れない(夜中の薔薇『麻布の卵』」はまさに邦子の考え方そのものであったろうし、「気ばかり焦ってうまくゆかず、さしたることもなく不本意に一日が終わった日は、角のグズグズになった、こわれた豆腐を考えてしまう(霊長類人科動物図鑑『豆腐』)は少しユーモラスながら非常にわかりやすい比喩になっている。

 レシピ本なのに料理を作る前に邦子の本を読みたくなる、そんな作品なのである。

向田邦子の手料理を買ってよかった!40代女性の購入ステータス

種類 向田邦子女史、腹減ったを買ってよかった!
商品 数ある向田邦子女史、腹減ったの中から向田邦子の手料理を選んでよかった!
状態 新品で買ってよかった!
価格 1,000円以上-5,000円未満の対価を支払ったが、それ以上の価値があった!
愛用年月 10年以上-20年未満も愛用しているから買ってよかった!
お得 1年当たりたったの78円くらい。
1ヶ月当たりたったの6円くらい。
1日当たりたったの0円くらい。
購入年月 1995年頃に出会えてよかった!
製造 向田邦子ありがとう!
メイドイン さすがの日本クオリティ!
  • ※注1:2014年4月くらいにご投稿頂いた、その当時の情報です。
  • ※注2:マーカー部分が頂いた情報&商品情報でそれ以外は全ページ共通部分です。

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